硝子の座席

某若手俳優を推すただのおたく 舞台と読書とゲームが好きなので、その辺りの話多め

推しのイメージ香水を作りに行ってきた話

 

7月某日

 


「推しのイメージ香水作るの興味あったりしますか」

 

 

 

それは突然。オタクの友人Aから珍しく連絡が来たかと思えば、こんなお誘いを受けました。


「興味あります」


二つ返事で即決。

 


というわけで、善は急げ。早速行ってまいりました。

今回私たちがお邪魔したのは、新宿にありますオリジナル香水専門店 THE KAORI BAR FINCAさんです。


以前ヒルナン◯スにて特集されたこともあり、それをみた私はめちゃくちゃ興味があったのですが、ひとりで行く勇気が持てず……。2人で固まって行けば怖くない!(?)と限界女オタク2人はそうして新宿へ出発したのです。


お店は11:00オープン。5分ほど前に現地に着くと、そこにはもう人人人!女性の列ができていました。中には男性もいらっしゃいましたが、そのほとんどが女性。

しかも、よくよく耳をすませて聞いているとオタクというよりはリア充感がすごい。好きな香りの話を詳しい種類についても交えて語り合っている方々……。すみません、私たちそんなに匂いに詳しくありません……。オリジナルで香水が作れちゃうんだもんね、詳しい人が来るわけだ。

並んでいる人数が多く、整理券配布の運びとなり私たちは16:00頃の券を渡されました。そして整理券と一緒に渡されたのは、1枚の紙。オリジナルの香水を作るための事前準備のためのアンケートです。まずはこれを埋めなくてはお話しになりません。

 


ちなみに私たちの推しは、


・私        某高校生アイドル 和風ユニットのリーダー

・友人A  骨のおじさん(推しCPは骨×幼女)(Aの妄想が酷い ※本人談)

 


な〜んかもう既にカオスですが、そこから現場を一旦離脱し、カフェに入って考えを練る私たち。うーん、あれでもない、これでもないと言葉を選びながらシートに思いの丈を脳内から絞り出し記入していきます。

せっかくあれこれ書いたのに写真にも取らず、最後にシートは回収されてしまったので記憶力の悪い私は一体なんと記入したのか曖昧ですが、推しの特徴はざっとこんな感じ。

 

[冷静で高圧的、真面目、堅物、眼鏡、説教、身内には甘い、ツンデレ、寺の息子(次男)、高校3年生、アイドル、和風ユニットのリーダー、イメージカラー 緑、弓道部、元・漫画家志望、身長、体重、血液型、、、]

 

整理券の時間になり、シートを手に現地へ。前の順番の方が終わるのをふっかふかのソファに座って待つ私たち。

店内は入ったその瞬間から香水のよい香りに満ちていて、キラキラとした輝く人たちがたくさん居そうなイメージの香り。

 

緊張とその手持ち無沙汰さから目の前でオリジナル香水を製作中のお客さん(若めの女性2人組)を観察。

するとその方は、差し出された香りのサンプルを嗅いだ途端大きな声で「えっち!!」とお客さんは興奮気味にそうたしかに言いました。

語彙力があまりにも私たちと近すぎて親近感がすごい。どうやら香りがえっちのようです。店員のお姉さんの返しがなんとも手慣れていて、やり取りがとにかく楽しそうです。

 


 そうしてやって来た私たちの番。担当してくれたのは、なんとさっきの手慣れたお姉さん。もう楽しい予感しかしません。

 

制作前にまずは基本説明から。今回私たちが作るのは正確には“オードトワレ”と呼ばれる香水よりも香りの軽いもの。大体2〜3種類のオードトワレを重ね付けしてオリジナル香水を作っていきます。

まず先行は私からです。


「彼から匂いそうな香りなのか、それとも彼をイメージした香りなのかを決めましょう」

 


というわけで、今回は彼をイメージした香りにさせてもらいました。

ここからはお姉さんの腕と私のイメージの共同作業です。


「体型はガッシリ系?それとも細いのかな?」

「線が細いです」

「う〜ん、(シュッシュッ)はいどうぞ」

リトマス紙のような細さに切られた紙に、香水を重ねて振りかけられたそれをどうぞと差し出され、早速嗅いでいきます。


2つ目でこれ!!と思う匂いが既に完成し、お姉さんに「まだ、あと5つくらいは試させて……!」とお願いされるも結局2つ目の香りをベースに作っていただきました。


しっかし、これがなんとも恥ずかしい。彼についてどんなところが好きなの?とか私の口から言わされるこの感じ!口からじゃなかったらどこから伝えるんだって話だけど!

友人は横でニヤニヤ見てくるし……。あまりの恥ずかしさに顔は絶対赤くなっていただろうし、身体は外の気温に負けないくらい熱くてたまらなくなるし……。頑張ってお姉さんに伝えました。恥ずかしさでよくは覚えてないのだけれど、推しに対して、普段は厳しい人だけど、ふとした瞬間に優しくなるギャップが好きとかなんとか言った覚えが。店内で言うことかこれ?!って思うレベルで照れました。

 

ちょっとセクシーめな香りや、さっぱり系の香り……「賢そう……う〜ん、でも若いんだよなあ」と独り言をぶつぶつ呟きながら、お姉さんは次々に香りを生み出していきます。


もうちょっと……となったところで、お姉さんがふと彼のイメージについてぽろっと

「もしかして彼、“儚い”?」と。

これを聞いた私は、こんなにも頭の中のパズルのピースがピタリとハマったことに鼻息を荒くしながら大声で「それ!それです!!」と意思表示。


事前のシートに書くか悩んで、すっかり忘れ去っていたその単語。私との対話で見事引き出してくださいました。本当に感謝しかありません。

儚い、まさにそれです。あまりの驚きに目の前の棚を叩かんばかりの興奮っぷり。

 


「んん〜(シュッシュッ)こんな感じでどうかな……?」

「!!!!!!!!!!!(これという顔)」

「A型っぽい香りだよね」

「!!!A型っぽい!!すごい!!!ありがとうございます!!!!」

「あはは、どういたしまして」

 


「さて、おねえさん的にはどれが彼かな」

全部で5〜6種類の香りのサンプルを目の前に最終決断を迫られます。

「これが、っぽいですね」

「ダメダメ〜!っぽいじゃなくて、彼そのものじゃなくちゃ!」

と言われて悩みに悩み抜いた(つもり)結果、そうして決めた香りがこちらです。

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真面目で高貴、品が良くて知的な印象の香り。

友人Aの言葉を借りれば“誠実”もうこれこそが彼の香りです……。最高かよ……。

そして実際に肌につけて気がついたのですが、時間が経過するごとになんと!お寺の香りに!これには本当に興奮しました!手首がお寺!

 

 

 

続いて友人A。私はようやく横でニヤニヤしている権利を得たわけです。

 

こちらは一筋縄ではいかず……。

骨(というかスケルトン)でモンスター。さすがのお姉さんも若干困惑していらっしゃいました。

[だらし無い、怠け者、秘密主義、自分を偽ってる、実はかっこいい、骨のモンスター(スケルトン)、、、]
シートに記入したのはこの辺りの言葉。

 

ケルトンに匂いなんてあるのか?!と思いながらも必死にお姉さんと友人Aは共同作業を進めます。

「彼の一番強いイメージはなんですか?」

「すけべです」

おい。横で見てるこっちが突っ込みたくなるくらいに推しへのありのままのイメージや気持ちをお姉さんにぶつけます……。

 

あれやこれやと約30分ほど格闘し、ようやく誕生したのはなんとも胡散臭い香り。ダンディなおじさまがつけていそうな雰囲気です。うっすらと幼女の影も感じることができます()

何度か嗅いでいると結構クセになる香りかと。

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ちなみに私は匂いを選ぶのに約15分ほどで決めました。

気になったのでお姉さんにも質問したのですが、15分は早い方に入るそう。

中には1時間ほど悩まれる方もいるそうですが、あまりに香水を嗅ぎすぎてしまうと鼻が鈍感になり匂いがわからなくなってしまうため、選びにくくなってしまうそうなので、なるべく短期決戦でいきたいですね。

 

あと、とにかくお店のお姉さんがすごい!解釈の汲み取り方が半端なくて、わかる!しか言えなくなる(語彙力)

楽しすぎたのでまた行きたい……。今度は推しのイメージじゃあなくて、自分の好みの香りも作りたいなあ。

お店が移転になるそうなので、その後にでもまたお邪魔しようかなあと思っている次第であります。

 

そうして推しの香りを身に纏った私と友人Aは、あまりの興奮にお互いの手首を嗅ぎ合いながら新宿の街に消えていきましたとさ……。

 

楽しいひとときをありがとうございました!