硝子の座席

某若手俳優を推すただのおたく 舞台と読書とゲームが好きなので、その辺りの話多め

【歌劇 明治東亰恋伽 〜月虹の婚約者〜】

 

ご無沙汰しております。

最近は感想を生み出すエネルギーが乏しく、なかなか更新できませんでした。簡素な下書きばっかりなので、そのうち完成させて上げます。

閑話休題。観て参りました。

 

前回の春草編も観ておりましたし、演出家は安定の吉谷さん、そして何より鴎外編ということもあり、嬉々として観に行きました。

以下、ネタバレ等も致しますがご了承ください。

 

 

とにかく荒木さんの鴎外がとても好き。茶目っ気たっぷりなのに大人の余裕があって、何よりシルエットが鴎外そのもの。衣装とカツラを身に纏っているのだから当たり前だろうと思われる方もいらっしゃるとは思うのですが、そうではないのです。

ゲームが発表になってからというもの、声優さんをきっかけにですが、作品を好きになって、鴎外さんも好きになって…。掴み所のない"鴎外"というキャラクターを追いかけていましたが、ここまで真に迫ったのは初めてかもしれません。荒木さんはとても鴎外を研究してくださったのだと思います。ヒロイン中心の物語ではあまり見ることのできなかった彼の心の中の葛藤を描き、表現してくださったことに感謝致します。

 

シリアスなシーンもありますが、もちろんギャグシーンもあり、主に八雲役の汐崎さん。

前回も彼が面白担当みたいなところがありましたが、役も相まって正にハマり役ですね!シュールな登場の仕方をしていたり、会場みんなで思わず笑ってしまうシーンばかりでした。

春草と鴎外の距離感も前回に引き続き大好きです。居候という立場ではありますが、側にいる時間が多い分、彼の気持ちをいくらか理解しており、芽衣への気持ちを隠そうとする鴎外にヤキモキして…どちらかというと今回は観客側に近いキャラクターになったのかなあと。

衣装も、和装ばかりだった前回とは異なり洋装が登場し、シーンに合わせて変わります。

鴎外の和装は肩の羽織りが好きですが、洋装は白を基調とした軍服。橙色のドレスを着た芽衣ちゃんと並ぶとそれこそ王子様とお姫様みたいで…。

 

エリスとのことは史実でも有名なお話ですが、化けの神のストーリーは、鏡花√のあたりと混ぜたことによりとても派手なものとなっていて良かったとは思いますが、些かしつこすぎる気もします。

そもそも鴎外√ではあまり派手な物語展開が少なく、美人コンテストに向けて頑張る!くらいなのでしょうがないとは思いましたが、前回も取り入れていたエピソードでしたので、個人的にはクドさが残りました。その辺りはモヤモヤとしましたが、光と陰を使った龍神の表現は幻想的な世界は舞台ならではです。

 

エンディングですが、現代へ還るのか、それとも残るのか。どちらをやるのか、というのは私の中では大きな問題でした。

観ている間はハラハラドキドキ…前回が帰還エンドでしたので、今回こそは明治エンドでーー!と思っていた私の気持ちは通じたようです。ありがとうございます。

もしかしたら若気の至りになってしまうのかもしれないけれど、後々に後悔するよりは良いといつも思ってしまいます。帰還よりずっとしあわせになれると、私は信じています。

そして、推しキャラがしあわせになれて、こちらもしあわせです。

 

ラストに向かうにつれて、鴎外が芽衣を通じて一喜一憂している表情が本当に絶妙なんです。普段は表に出さない彼の気持ちが滲み出ていて、なんだか泣けました。芽衣のことを本当に大切にしているし、想っているのだなあと。切なさが胸にじんわり来ました。

個人的には春草√の鴎外の立ち位置が一番好きなのですが、メインというのもたまにはいいですね。

 

 

 

あー…久しぶりに本編ゲームがやりたくなってしまったので素直にやろうと思います。もちろん鴎外√で。ありがとうございました。