硝子の座席

某若手俳優を推すただのおたく 舞台と読書とゲームが好きなので、その辺りの話多め

【舞台 刀剣乱舞 天伝 -蒼空の兵 大坂冬の陣-】

 

本作のネタバレが存分に含まれますので、ご注意ください。

 

 

11月某日。

刀ステに推しの出演が決まった。

 

ゲームユーザーでミーハーな私は後編にあたる夏の陣を観に行きたい気持ちでいっぱいだったので、前編の冬の陣も現地、もしくは配信で観れたら嬉しいなくらいの気持ちでいたのだが。

ついに、推しがきてしまった。

刀剣男士側ではなく、歴史の登場人物で。

そう、豊臣秀頼役の小松準弥さんです。

推しは剣道の有段者ということもあり、殺陣のある仕事をやりたがっていたように思うので、いつかはと個人的には考えていたのだけれど、唐突にその時は来てしまった。

 

そもそもこの時点での私の知識は、「ストレートプレイの舞台」「脚本、演出が末満健一」「推しは豊臣秀吉の息子、秀頼役」くらいなもの。

過去作のBlu-rayを掻き集めて事前学習スタート。

秀頼に関しても、数冊基礎文献を選んで読み込み、理解を深めるように努めた。

 

読んでみた結果、これは推し、冬の陣も夏の陣も出るのでは?いや、それ以外に道なくない?ということだった。

 

1月、このご時世の中無事に幕が上がり、早速2日目に観劇した。100公演を予定しているこの作品が、まだこの世に上演されて2回目というタイミング。ネタバレに触れたくない一心でなるべく早めの公演のチケットを取ったのだ。

 

 

 とにかく圧巻。その一言に尽きる。

360°回るってどんな……?と思っていたのだが、くるくる回る。スクリーンも追っかけてきてくるくるくる。(語彙力)

圧倒的迫力が眼前に迫る。

元々殺陣の激しいことで話題に上る刀ステだが、回転する客席に沿って魅せる殺陣の難易度よ。

ラストにかけての360°一周回るシーンはまさに圧巻。ちょっとしたアトラクション。あれのために入ったとしても悔いなし。くるくる場面が変わって初見だと目がついていかないが、とにかく心がわくわくする。誰がどこにいるかわからなくなりがちなシーンなので、ついキョロキョロしがちで周りのお客さんに申し訳なかった。

 

ストーリーとしては、続きモノという点からしても事前に学習しておいて本当に良かった。

個人的にジョ伝が好きだったため、そのあたりとの繋がりがあって嬉しかった。(とても別件だが、ジョ伝の長政様のやさしさや可愛らしさがめちゃくちゃ好きだった)

これから後編が上演されはするが、さて、どのような物語になるのかがとてもとても楽しみでしょうがない。

細かい考察などは、私などの新参者がするよりももっと素晴らしい考察をしている方々がいるので控えるが、よく皆様そこまで考え付くものだと感心してしまう。

 

一期一振の記憶がないという自己のアイデンティティ喪失。そして、秀頼の父親が大きすぎる存在、かつ本当に父の子であるか自身がないという自己のアイデンティティの消失とが、「何者なのか」という問いに集約されていた。

己のルーツに悩む一振りと一人。

その苦悩がとてもぴったりと表現されていた。

この一振りと一人は似た者同士である。そして、この一振りと一人こそが今回の舞台のサブタイトルにも掲げられている《蒼空》なのだ。

個人的に推しは爽やかで青空みたいな人だなあと思っていたので、あまりにもぴったりな配役すぎて腰を抜かしそうだった。刀ステ恐るべし!

今後の展開のことを思うと、決して楽しんでばかりはいられないが、地獄こそが刀ステ。そう割り切ることで夏の陣を待とうと思う。

 

 

 

 

今回、初めて生でステを観劇したのだが、その熱量たるやすごいものだった。

特に主演の本田礼生さんは、途中腰を痛めたなかでの公演でもあった。私が観に行った公演中に痛められたため、二部をじっくりと見る暇もなく演出が変更されてしまったが、3月に入り一期一振のソロの殺陣をようやく観ることができたときは鳥肌が立った。あと、その動きのキレがあまりにも鋭いことにも驚かされた。そうしてすっかり本田さんの一期一振のことが好きになってしまったのだった。

敵に対してもにこりと微笑みを浮かべていたり、そうだと思ったら真正面から見えにくいところでスンと表情が消えていたり。戦っているときの挑戦的な笑いも好き過ぎるし、あの無表情はあまりにも理想的すぎて興奮してよく覚えていない。(もったいない)

 

また、公演も終盤になるにつれて、本田さんだけでなく、演者それぞれの熱量が高まり合いものすごいパワーとなって客席を圧倒していたように思う。それはそれは、本当にすごかった。

なんだあの早すぎる殺陣は。

本当に素早すぎて、途中から一期一振ばっかり観てた。

ほかのシーンだったら、加州清光役の松田凌さんも。

細やかな動きがあまりにもリアリティがありすぎて、興奮してしまった。

つまらないのかなあというときは爪を気にして、仲間のことを思って憂いたりと繊細なところまで本当にすごい。

ほかにも本当にたくさんの見どころがあるのだけれど、これだけは。

秀頼様、小松さんのお芝居がどんどん上手くなっていて本当に泣きそうだった。1月のときとは明らかに違ったし、秀頼様のことがもっと好きになる。

无伝も引き続き出演されるということもあり、どんな最期を観ることができるのか。それが楽しみでもあり、怖くもあり……。

とにかく无伝、楽しみですね!という話。

まだ当分天伝を引き摺っていそうではあるが、ひとまずこのあたりで。

3ヶ月間、本当にお疲れ様でした!